「いや、仕事なんで」 遠藤保仁、偉業への波立たない心

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2017~19年ガ大阪担当・大西史恭
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 2月下旬の今季開幕節まで、3シーズンあまりにわたって、ガ大阪を担当した。チームの顔である遠藤保仁(40)には、数え切れないほど取材させてもらった。

遠藤保仁 632の金字塔⑥

 7月4日に再開されるサッカーの明治安田生命J1で、ガ大阪のMF遠藤保仁が前人未到の領域に足を踏み入れようとしている。J1新記録となる通算632試合出場。朝日新聞の歴代担当記者によるリレー形式のコラムで、偉業をたたえます。

 断られたことは一度たりとも無かった。練習後でも、試合後でも、必ず足を止めて、淡々と言葉を紡いでくれる。嫌がる顔を見た記憶はない。

 日本代表でも活躍した背番号7には、多くの取材が舞い込む。自身のことやチームに関する質問にとどまらない。代表で若手が活躍すれば、その選手に対する評価を聞かれ、イチローのような他競技のスター選手が引退した時も、同じトップアスリートとしてコメントを求められる。記者が入れ替わるたび、同じ質問を繰り返されることだってある。その都度、遠藤は丁寧に応じていた。

 個別でインタビューした際、思い切って聞いてみた。なぜ、取材を断らないのか。一度答えた質問に対しても丁寧に答えられるのか。その理由はあまりにもシンプルだった。

 「いや、仕事なんで」…

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