門外不出の百済観音、大切に包み込む 法隆寺で上京準備

編集委員・小滝ちひろ
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 法隆寺の国宝・百済(くだら)観音像(7世紀、高さ2・09メートル)が26日、22年ぶりに境内の百済観音堂を離れた。この春、東京国立博物館で開かれる予定の特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」(同博物館、法隆寺、朝日新聞社など主催)で展示されるためで、東京での公開は1997年の展覧会以来。

 この日は、東京国立博物館の研究者や日本通運の搬送チームが百済観音の状態を入念に調べ、顔や手の部分を柔らかい紙で養生。専用ケースに収容し、トラックで奈良市奈良国立博物館に向けて運び出した。

 百済観音はかつては法隆寺金堂に安置されていた時期もあったが、大講堂や奈良帝室博物館などを転々とした。98年に観音堂が建てられ、その後は「門外不出」とされていた。

 展覧会の期間中、法隆寺では31年に彫刻家・新納忠之介が制作した模刻像が大宝蔵院に展示される予定。(編集委員・小滝ちひろ)

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