取材後記 あいまいな表記制度、「日本製」とは何か
追跡メイド・イン・ジャパン 取材後記
腕時計の「メイド・イン・ジャパン」の基準を、ご存じでしたか。
今回の調査報道では、ブロニカの製造工程やその背景を追いました。しかし、その目的は販売元を責めるものではありません。
海外での製造を想定していなかった半世紀前から続くこの国の制度の実情を、消費者の視点に立って伝えたいと考えました。
高品質、職人技、きめ細かさ――。クールジャパン戦略を掲げる政府は、こうしたイメージとともに世界にさまざまな「メイド・イン・ジャパン」を売り込んでいます。
しかし現在の仕組みは、海外で組み立てた腕時計でも「日本製」と表示できるというあいまいなものです。このことによって、みなさんの前には、日本で組み立てたものと海外で組み立てたものが同じ「日本製」として並んでいます。その結果、海外への製造委託が増加し、国内の組み立て業者が減少したことも取材で知りました。
消費者の思い浮かべる日本製と、一部のメーカーの考える日本製との隔たりを伝えたい。「日本製」の実態がどうなっているのかを知ってもらいたい。問題は腕時計に限らないと思います。今後も、様々な「メイド・イン・ジャパン」を追っていきます。
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追跡 メイド・イン・ジャパン
●取材・撮影・編集
〈社会部〉
沢伸也
八角健太
〈国際報道部〉
益満雄一郎
竹花徹朗
〈デジタル編集部〉
西田堅一
森本浩一郎
〈ルートメディア〉
根本寿彦
●ウェブ制作・デザイン
〈朝日新聞メディアプロダクション〉
佐藤義晴
小倉誼之
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