さよならホームボタン iPhoneXの実力を検証

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【動画】iPhone Xで変わる操作性=西田宗千佳撮影
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 11月3日に発売の新iPhone、「iPhone X」の実機レビューをお届けします。今年のiPhoneは、9月末に発売された「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」に、「iPhone X」を加えた3モデル構成になっています。最大のトピックは、これまで全てのiPhoneに搭載されてきた「ホームボタン」のない、新しいボディーと操作体系に変わったことです。このことが、iPhoneの使い心地にどんな変化をもたらしたのでしょうか。(ライター・西田宗千佳)

さらばホームボタン 表面すべてがディスプレーに

 これまでのiPhoneの操作の基本は「ホームボタン」にありました。ホームボタンを押せば画面が点灯してロックが外れ、アプリを選択する「ホーム画面」が表れます。そこから好きなアプリを選んで使う……。このサイクルの繰り返しですから、画面下にあったホームボタンは非常に重要でした。2013年発売の「iPhone 5s」で指紋認証機能である「Touch ID」が搭載されると、ホームボタンは個人認証の役割も果たすようになりました。一番よく使うボタンがセキュリティーを守る役割もしていたため、わかりやすさと使いやすさが両立していました。

 しかし、そのホームボタンの存在が、iPhoneの形に制約を与えていたのも事実です。Touch ID内蔵のホームボタンが便利すぎたゆえの弊害と言えるかも知れません。iPhone 6以降、ボディーのデザインは大きく変わっていませんでした。他のAndroidスマートフォンと違い、ディスプレーサイズを変更することもしてきませんでした。

 iPhone Xは、ホームボタンの伝統にメスを入れることがデザインの根幹に据えられています。画面下部からホームボタンが姿を消し、ディスプレーはより縦長な5.8インチになりました。Androidスマートフォンでも物理的なホームボタンをなくし、画面表示で代替するものが出てきましたが、それともイメージは違います。画面表示での代替どころか、文字通りホームボタンがなくなっているからです。iPhoneの前面全てがディスプレーになってしまったかのような構造になりました(写真1)。

 このことは、ボディーの小型化につながっています。大型でより高性能なカメラを搭載した「Plus」系のiPhoneは、横幅が78.1mmとかなり大柄でしたが、iPhone XはiPhone 8とほとんど変わらないサイズ感になっています(写真2)。しかしディスプレーが縦方向に伸びた結果、表示される情報量はiPhone 8 PlusよりiPhone Xの方が多くなりました(画像3、画像4)。ただそれよりも、表面全てが画面であるという印象の持つインパクトの方が、より大きいと感じます。ディスプレーは有機ELに変わり、フレームもより細くなっているため、画面だけを持っているような印象すら受けます。その新鮮なインパクトが、iPhone Xの魅力の一つと言えます。

■Face IDでiPhon…

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