聴覚と性のダブルマイノリティー ろう者監督がDVDに

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寺尾佳恵
【動画】聴覚障害者で性的少数者でもある「ダブルマイノリティー」の存在を伝えるDVDが完成へ=寺尾佳恵撮影
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 聴覚障害者LGBTなどの性的少数者でもある人たちの存在を伝えるDVDが近く完成する。当事者が出演して「ダブルマイノリティー」としての経験、悩みを語り、理解される社会の実現を訴える。

 DVDを制作しているのは、生まれつき耳が聞こえない、ろう者の映画監督今村彩子さん(38)=名古屋市。前半はダブルマイノリティーの5人のインタビューや再現ドラマを収録。後半は性的少数者の基本的な知識やその手話表現などを解説する内容になる予定だ。

 当事者として生い立ちを語った手話講師の菊川れんさん(43)=東京都=は、生まれつき耳が聞こえない。男性として生まれたが、24歳のとき女性として生きると決めたトランスジェンダーだ。

 心は女性だと気づいてから周囲に公言するまでの葛藤を記した自伝を27歳のときに出版。各地で講演をしているが、聴衆のろう者の男性に「気持ち悪い」と言われたことがある。「聞こえる人に差別されたことあるでしょう。その苦しかった気持ちと同じ」と語りかけたが、「ろう者と性的少数者は別」と突き放された。

 菊川さんは、ろう者は受け取れる情報が少なく、性的少数者への理解が十分広がっていないと感じている。「若い当事者がロールモデルを見つけ、一人で悩まず誰かに相談できる社会になれば」と願う。

 同じく経験を語ったろう者の…

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