籠池氏逮捕、検察の忖度かと…邪推の余地 倉田真由美氏

聞き手・阪本輝昭
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漫画家・倉田真由美さん

 籠池泰典容疑者夫妻の逮捕は、安倍晋三政権にとってはなかなか都合のよいタイミングでした。国会の閉会中審査が終わり、かつ内閣改造直前という谷間の期間。安倍首相にとってダメージが少なく、しかもその後の内閣改造で何となく色んなことをうやむやにできる「絶妙」の時期でした。

 もちろん、検察がそんなことまで忖度(そんたく)して逮捕時期を決めたのか否かはわかりません。ただ、今の政権にそんな邪推が働く余地があるのは事実です。内閣改造で刷新感を打ち出していますが、政権の体質はそう簡単に変わらないでしょう。

 その象徴が国税庁長官の人選です。国有地売買をめぐる森友学園側と国側との交渉記録を1年にも満たずして「廃棄した」と言い、売買経緯の詳しい説明を避けてきた財務省前理財局長を長官にしました。国有地が不当に安く売られたのではないか?という疑念にまともに答えてこなかった官僚を、税金を集める役所のトップに据えたわけです。

 今でもこの人事をやり直す姿勢は見せていませんから、政権としては引き続き「忠実な者は守り、批判する者はあっさり切り捨てる」方針なのでしょう。

 私たち納税者には色んな書類の保存義務があります。税理士からは「領収証は7年間保管すること」と言われています。庶民には長期の書類保存を求め、官僚は国有財産売買に関する大事な書類をどんどんゴミ箱に放り込む。真面目に納税するのがバカらしくなるような政治はごめんです。

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この記事を書いた人
阪本輝昭
コンテンツ編成本部統括マネジャー代理
専門・関心分野
労働、司法、芸能、歴史