外来アリの危険、ヒアリ以外にも 9年で15種通報

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戸田政考 小坪遊
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 強毒のヒアリのほかにも、輸入貨物にまぎれて侵入する有害な外来アリが問題になっている。今春までの9年間に環境省に通報された分だけで、全国の港湾や空港などで少なくとも15種の33件が見つかった。一度定着すると根絶が難しいだけに、環境省は「あやしいアリを見つけたら、自治体や近くの地方環境事務所に相談してほしい」と呼びかけている。

 環境省が毎年出す「外来生物問題調査検討業務報告書」の2008~16年度分を集計した。外来生物法で輸入や飼育が原則禁止される「特定外来生物」のアリは、アカカミアリが東京港神戸港名古屋港などで11件、アルゼンチンアリが成田空港や神戸港などで6件発見された。特定外来生物ではないが、海外で人や生態系に悪影響が出ているイエヒメアリやオオズアリ属の仲間が福岡県の港から入るなど、ほかの外来アリも少なくとも16件、外来か在来か不明なのも2件あった。

 横浜港で12年7月、メキシコから運ばれたコーヒー豆が入ったコンテナ内で多数のアカカミアリが見つかった。ガーナからのカカオ豆の袋の表面や、フィリピンからのバナナや切り花、マンゴーにまぎれている例もあった。

 生態系や人、農作物への被害が大きい特定外来生物のアリは4種ある。コカミアリの国内発見例はないが、ヒアリ同様、毒が強く、刺されると強く痛む。アカカミアリはヒアリほど毒は強くないが、沖縄の一部や硫黄島東京都)に生息。アルゼンチンアリは毒はないものの、12都府県に定着した。いずれも在来種のアリほど黒っぽくないが、小さいため見分けるのは容易ではない。

 今年度は18日までに、ヒア…

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