下からバトン、日本の奥義 男子400mリレー、技磨く

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 一人一人の足の速さでは、日本のスプリンターはまだ、世界の一流には及ばない。でも、4人が100メートルずつを走るリレーなら話は別。接近する一瞬の間にバトンを受け渡す技術の確かさで、日本は頂点に迫る。リオデジャネイロ五輪で鍵を握るのも、やはりバトンパス。桐生祥秀東洋大)は「メダルがしっかり狙える」と意気込む。

 ジャマイカのウサイン・ボルト世界記録9秒58を4倍すると38秒32。400メートルリレーの日本記録38秒03の方が速い。2008年北京五輪で銅メダルを獲得した日本の4人が、同じ走順で07年に出した記録だ。リレーはバトンの受け渡しでスムーズに加速できるかが勝負を分ける。

 日本の武器は、世界では異端の「アンダーハンドパス」。走力で劣るフランスが1990年に世界記録を出したことに着目し、日本代表も01年から導入した。

 北京五輪では銅メダルだったが、14年の韓国・仁川アジア大会で「オーバーハンドパス」の中国に敗れ、アジア記録も塗り替えられた。中国に37秒台入りで先を越されたのは痛かったが、日本陸連の科学委員会が手がけた敗因分析の結果はさらなる衝撃だった。日本が重視してきたバトンの受け渡し区間のタイムでも、中国の方が速いことが分かったからだ。

 自信と誇りを取り戻すために…

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