(素顔のアスリート)石川佳純、高橋尚子と対談

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構成・原田亜紀夫
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 高橋尚子さんが2000年シドニー五輪の女子マラソンで金メダルに輝いた走りを自宅のテレビで見ていた。興奮した。卓球を始めて1年ちょっと、7歳だった。あれから15年。3年前のロンドン五輪で私も銀メダルをとることはできたけれど、シングルスの金メダルにはまだ遠い。何が必要なのか、高橋さんに聞いてみたかった。〈石川佳純

五輪の金メダル、取れたのはなぜ?

 石川 うわー、すごい。シドニーの金メダル。なんか、ずっしり。銀メダルとはやっぱり、違いますね。

 高橋 もう15年前だよ。私たち親子でもおかしくない年齢差。21歳で産めば、佳純ちゃんが生まれてる。私の初マラソンは24歳。佳純ちゃんの年では、まだ1回も走ってなかった。

 石川 シドニー五輪はテレビで見ていて、今もあのスパート、覚えてます。レース前に高橋さんが聴いていたという「Love2000」(hitomi)も、家でめっちゃ聴いていました。

 金メダルを取れたのは、どうしてだと思いますか?

 高橋 緊張しなかったからかな。その3年前、5000メートルで世界選手権(アテネ、13位)に出た時は、緊張して棒のようにガチガチだったの。「あいつ固まってるよ。ケケケケ……」って小出監督に笑われて。

 でも、シドニーは違った。勝てるんじゃないかなとか、やれるんじゃないかなとか、そういった自分への期待は持っていなかった。レース前は、「自分から扉を開けてやる」ぐらいの勢いで、だめでもいいや、ぐらいのイメージでいた。監督から前夜に呼ばれて言われたの。「お前、頑張ってきたから好きなように走ればいい。でも、出し惜しみだけはするな」って。

 佳純ちゃんも、ロンドン五輪は団体で銀だったけど、シングルスは4位だったね。緊張はした?

 石川 シングルスの1試合目…

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