静寂の福岡城、ひこ星見えた(星空スケッチ)

東山正宜
[PR]

 藩祖黒田如水と初代藩主長政が築いた福岡城。城下町は商人の街として栄え、現在の福岡市へと続いている。この季節、城の北にある大手門へとお堀をまたぐ橋の上には、アジサイが咲き誇っていた。

 梅雨の合間を狙い、気象衛星の雲の動きをにらみながら夜空にレンズを向けた。大手門は2000年の不審火で焼け、3億8千万円をかけて8年後に現在の姿に復元された。深夜も人通りが絶えない幹線道路からほんの10メートル入るだけで、あたりはお堀を跳ねる魚の水音とカエルの鳴き声だけの静けさに包まれる。西から東へ雲が流れるなか、5時間粘って、17分間の雲の隙間を得た。

 画面中央やや左で明るく光るのが、わし座の1等星アルタイル(ひこ星)だ。七夕を過ぎれば、ひこ星、こと座のベガ(おりひめ星)、はくちょう座のデネブでつくる「夏の大三角」が、子どもたちが見やすい時間に天頂近くにやってくる。梅雨明けが待ち遠しい。東山正宜

     ◇

 6月24日、福岡市中央区。午前2時3分から8秒露光で17分間、連続撮影した121コマを多重露出。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら