(天声人語)こいのぼりを見ない

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 古いことわざに〈江戸っ子は五月の鯉(こい)の吹き流し〉とある。口は悪くても、腹の中はさっぱりして瑣事(さじ)にこだわらない。こいのぼりは江戸時代から飾られ始めたそうで、八百八町のあちこちで見られたがゆえに生まれた言葉だろう▼幕末生まれの菊池貴一郎が『江戸府内絵本風俗往来』でふり返っている。「大幟(…

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