躍進の高市氏、地方回りとネット戦術奏功 石丸氏支援者がSNS拡散

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笹山大志 西村圭史

 過去最多の9人が名乗りを上げた自民党総裁選で、高市早苗経済安全保障相が1位で決選投票に進出、石破茂新総裁とデッドヒートを繰り広げた。後ろ盾の安倍晋三元首相の亡き後で苦戦も予想されたが、善戦の理由は何だったのか。

 初の女性首相誕生まで、あと少しだった。高市氏は、1回目の投票で国会議員票、地方票ともに石破氏を上回り、迎えた決選投票。わずかに21票差で石破氏に競り負けた。総裁選終了後、高市氏は支援者の議員らを前に「力が足りなかった。結果を出せず、自分を責めるばかりだ」と悔しさをにじませた。

 石破氏を脅かした高市氏の躍進の象徴は、地方人気の高い石破氏と肩を並べた党員支持だ。1回目の投票では石破氏を1票上回る109票を獲得した。決選投票でも、47の都道府県票のうち、都市部を中心に21票を得た。東京や千葉、埼玉といった首都圏でトップに立ったほか、地元・奈良と隣り合う大阪では、石破氏のほぼ倍にあたる9985票を獲得。愛知や福岡といった地方都市圏でも首位となった。

地方講演で続いた満員状態

 高市氏は「安倍路線の継承」…

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    伊藤昌亮
    (成蹊大学文学部現代社会学科教授)
    2024年9月27日23時45分 投稿
    【視点】

    党員票では高市氏が都市部を制し、石破氏が地方部を制するという結果になりました。元来、都市部ではリベラルが強く、地方部では保守が強いという流れがあり、最近では欧米諸国でもそうした傾向がはっきりしています。しかし今回は、あくまでも自民党内での色

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    牧原出
    (東京大学先端科学技術研究センター教授)
    2024年9月28日1時30分 投稿
    【視点】

    高市氏のネット戦略が功を奏したかどうかは、もう少し留保が必要ではないだろうか。日本会議など右派の動員がかかっているという面があったのであれば、所詮は仲間内のフォロワー獲得になる。また、高市氏ら右派が党員獲得に熱心だったという事実を考えると、

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自民党総裁選挙2024

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