砲弾提供、日本も一時検討 米国の要請受け、パトリオット輸出が先行

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田嶋慶彦

 ウクライナが必要としている155ミリ砲弾をめぐり、日本政府は一時、在庫不足に悩む米国へ輸出することで間接的にウクライナ支援をすることを水面下で検討していた。複数の政府関係者によると、侵攻開始以降、日本国内の生産ラインで155ミリ砲弾を製造し、米国に輸出してほしいとの要望が複数のルートで非公式に寄せられたという。

 ただし、155ミリ砲弾は英国企業の許可を得て国内で製造する「ライセンス生産品」にあたり、武器輸出を制限する防衛装備移転三原則の運用指針でそもそも輸出できなかった。政府・与党は2023年4月に始めた運用指針の見直し論議で輸出解禁を検討。ただ、翌月に広島での主要7カ国首脳会議G7サミット)に出席したウクライナのゼレンスキー大統領から日本に対する軍事支援の要望はなかったことから、155ミリ砲弾をめぐるウクライナ支援の議論は下火になったという。

すでに米国への輸出を決めた兵器も

 一方、その後に米国が日本側…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2024年5月6日7時27分 投稿
    【視点】

    この記事でよくわかりますが、日本は需要と供給がマッチすれば世界のどこへでも武器を輸出する国へ、一歩一歩近づいてます。そのサイクルに入らないと防衛産業が廃れ、我が国の防衛に支障を来すからということです。  憲法には「日本国民の決意」として、「

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