新NISA「1強」、オルカンのこれからと課題 「生みの親」に聞く

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聞き手・山本恭介
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 1月に始まった新NISA(少額投資非課税制度)を追い風に、金融業界も驚く売れ行きを見せる投資信託「eMAXIS Slim」(イーマクシススリム、以下Slim)シリーズ。その「生みの親」と言われる三菱UFJアセットマネジメント常務取締役・代田秀雄氏に、Slim誕生のきっかけや今後の目標を聞きました。

 ――年初からのSlimの売れ行きをどう見ていますか。

 「新NISAで加速すると思っていましたが、ここまで急速に残高が増えるとは思わず、想像以上でした。特に世界の株式に投資する『オール・カントリー(オルカン)』と米国の主要株価指数に連動する『米国株式(S&P500)』への資金流入が目立ちます。今年1~2月と去年1年間のそれぞれの月平均を比べると、オルカンが4倍以上、S&P500が3倍の流入となりました」

 ――統計を見ると、その2本が国内投信全体の流入額の4割超を占め、Slim「1強」とも言える状況にまで育っています。Slimはどのように生まれたのでしょうか。

 「2009年に『eMAXIS』という投信シリーズを作りました。格安の信託報酬を売りに、業界のシェアを一時5割ほど取りました。ところが競合他社がより安い信託報酬の投信を出し始めた16年ごろから、シェアが減っていく低迷期に入りました」

eMAXISでは戦えない、考え出した次の一手

 「(市場全体の値動きを示す…

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