ウクライナのゼレンスキー大統領は日本時間の5日深夜、国連安全保障理事会で演説した。これまで米国や英国の議会で見せてきた情緒的な演説とは異なり、終始険しい表情でロシアの残忍な攻撃について非難。安保理加盟国に対して、「国連を解体する覚悟はあるのか」と強い口調で迫った。
首都キーウ(キエフ)近郊のブチャで行われた多数の民間人の殺害が、国際社会に明らかになった直後の演説。何がポイントになるのか、欧州政治に詳しい鶴岡路人・慶応大准教授(国際安全保障)に聞いた。
――今回の演説をどうご覧になりましたか。
内容的な驚きはなかったと思います。ただ、伝えたいメッセージは非常に明瞭で、パワフルに伝えられていました。
今回の演説には二つ柱があって、一つは、ロシアによる行為がいかに残虐か、具体的な例を挙げながら強く訴えていました。「第2次大戦後、最悪の戦争犯罪」という言葉もありましたし、国際社会に対して、その点をまず強調していました。
もう一つは、安保理での演説と…