クーデターで国軍が権力を握ったミャンマーで、長年迫害されてきた少数派イスラム教徒ロヒンギャが、複雑な思いで情勢を見守っている。国軍による暴力にさらされただけでなく、民政下でも差別されてきた過去があるからだ。クーデター後、市民の意識に変化の兆しはあるものの、不安にさいなまれる日々が続く。
ミャンマー西部ラカイン州で暮らしていたヤスミン・アラさん(25)が国境を越え、バングラデシュ南東部コックスバザールにある難民キャンプに逃れてからもうすぐ4年になる。
ロヒンギャ
主にミャンマー西部ラカイン州で暮らしてきたイスラム教徒。仏教徒が9割近くを占めるミャンマーでは、国境を接するバングラデシュから不法に入国した人たちとみなされている。大半が国籍を認められておらず、移動の自由が制限されるなど差別や迫害を受けてきた。2017年8月、国軍がロヒンギャ武装組織への掃討作戦を実施した際に、約70万人のロヒンギャがバングラデシュに逃れた。現在は約100万人がバングラデシュの難民キャンプで暮らす。
2017年8月、国軍はロヒンギャ武装勢力の掃討作戦を実施。難民となったロヒンギャの多くが、国軍に家族を殺され、家を焼かれたなどと証言した。アラさんは乳児だった息子を連れて逃げたが、祖父は故郷に残ったままだ。
その国軍が今年2月1日にク…
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