飲食店の働き手、宣言延長で「生活いっそう厳しく」

高橋末菜 岡林佐和
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 緊急事態宣言の延長で、対象地域の飲食店が強いられている営業の自粛なども続くことになった。シフトが減らされ、収入が細っているパートやアルバイトの人たちの不安も広がっている。

 関東地方の30代女性は7日、自らも加盟する「飲食店ユニオン」のメンバーらとともに勤務先のカフェを運営する東京都内の企業の建物の前に立ち、「非正規労働者にも休業手当を支払え」と声を上げた。

 女性のコロナ前のシフトは週4~5日だったが、いまは週1回。収入は月10万円から2万円程度に激減している。会社が休業手当を十分に払ってくれないため、先月、国の「休業支援金」を個人で申請したが、まだ受け取れていない。いまは緊急小口資金の貸し付けで生活をつないでいる。

 緊急事態宣言が延び、シフトがさらに減る心配が募る。女性は「ギリギリの暮らしをしている働き手の生活は、これでいっそう厳しくなる。首相はそこをわかっているのか」と憤る。

 今のところ、政府の雇用対策の柱は「雇用調整助成金」だ。雇用を維持して休業手当を払う企業を支援する制度で、すでに3兆3千億円余りが支出された。だが、労働契約に勤務時間の定めがある正社員には休業手当を払っても、シフト制のパート・アルバイトには十分な手当を出さない企業も多い。

 「休業支援金」は勤め先から休業手当をもらえない働き手を国が直接支援する制度として新たにつくられ、当初は対象外だった大企業でシフト勤務する非正規労働者も対象になった。これまでの支給決定額は1026億円余りにのぼる。ただ、コロナ禍でできた特例だけに、対象となる人に制度がよく知られていない課題がある。

 厚生労働省は雇用調整助成金、休業支援金について、緊急事態宣言や「まん延防止等重点措置」の対象地域で、新型コロナで大幅に拡充した特例を6月末まで続けることにしている。(高橋末菜、岡林佐和)

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