女性研究者採用に優遇策 下駄はかせ批判に名古屋大は

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杉浦奈実
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 女性研究者のおかれる立場は厳しい。だがジェンダー格差を埋めようと、活躍を後押しするしくみも生まれつつある。

 国内でも有数の支援体制を整えるのは名古屋大学だ。2015年に、オックスフォード大などとともに国内で唯一、国連女性機関(UN Women)から「男女共同参画を推進する10大学」に選ばれた。

 延長保育もある保育園時代に比べ、子どもが小学生になると、学童保育に預けられる時間は短くなる。そのため、仕事と子育ての両立が難しくなる「小1の壁」に悩む女性研究者たちから声があがり、09年に国内で初めて学内に学童をつくった。

 当時、名古屋には民間企業の学童はなく、親たちが地域で運営する学童は、午後6時までにお迎えに行かなければならなかった。休日に活動を求められるなど、負担も大きかった。

 学童の場所を企業に無償提供し、運営を委託するかたちで誕生した「ポピンズアフタースクール」は午後9時までの延長が可能で、有償で食事も出してくれる。名大の教員が教えるサイエンス教室などの催しも人気だという。現在、常時利用の登録者は24人、夏休みなど長期休み中は30人前後が利用している。

 学童の整備以外にも、若手女性研究者と女子学生が合宿形式で話し合うイベントや、女性に限定した研究主宰者ポストの人事などを打ち出してきた。

 21年度には、女性教員の割…

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