ノーベル賞の大村氏「治療薬迅速に」 感染状況に危機感

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永沼仁
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 ノーベル医学生理学賞の受賞者4人が今月8日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が首都圏に出されたことを受け、医療機関への支援やPCR検査能力の拡充を政府に要望する声明を発表した。その一人、山梨県韮崎市出身の大村智(さとし)・北里大特別栄誉教授(85)が朝日新聞の電話取材に応じ、治療薬が迅速に使えるようにすることを求めた。

 大隅良典東京工業大栄誉教授、本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授、山中伸弥・京都大教授と連名の5項目の声明で、ワクチンや治療薬の審査・承認を迅速にすることも求めている。

 大村さんらが開発した抗寄生虫薬「イベルメクチン」は、北里研究所(東京)で新型コロナ感染者に対する効果や安全性を調べる治験が始まっている。熱帯地方で流行する河川盲目症に効き、多くの人を失明から救ったことが評価され、2015年のノーベル賞受賞につながった。日本では激しいかゆみを起こす疥癬(かいせん)の治療薬として広く利用されている。

 大村さんによると、欧米など26カ国で治験が始まり、ペルーでは承認され投与が始まった。重症化を防いだり、致死率が下がったりする効果が報告されているという。「重い副作用の報告はない。安くて発展途上国でも広く使える」と話す。

 課題もある。臨床研究ではほ…

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