各地で「異変」 女性候補、男性中心の政治を変えるか

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山下剛 中崎太郎
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 季節外れの暑さのせいではなかった。

 東京都内の選挙でまた、「異変」が起きた。5月下旬に投開票された足立区議選で、初挑戦の女性候補が8千票余りを獲得し、いきなりトップ当選したのだ。

 立憲民主党新顔の銀川裕依子氏(33)。建設会社で働いたのち大学に入り直して社会福祉士の資格を取り、政治家を志した。

 党から公認が出たのは昨年7月。知名度不足を挽回(ばんかい)するため、毎日朝夕に駅に立ち、週末はスーパーで街頭演説をした。それでも手応えはなく、不安だけが募った。

 大量の票はいったいどこからきたのか。開票の翌朝、北千住駅に立って疑問が氷解した。若い子育て世代、働く女性から次々と「投票しました」と声をかけられたのだ。選挙期間中は高齢世代から声をかけられることが多かったが、「若い女性たちからも支援されていたんだ」。

 東京23区の区議選は、町内会など地域の組織・団体の支援がある候補が有利だとされてきた。なかでも足立区は伝統的に自民党公明党共産党が強く、新顔が割って入るのは難しい地域だった。

 それでもトップ当選したのは「これまで若い候補が少なかったから、若い女性たちの代表と期待されたのでは」。いま、そう分析する。

 こうした「異変」は、足立区だけの現象ではない。4月にあった統一地方選で、市議選で当選者に占める女性の割合が増えたり、区議選で女性候補が相次いでトップ当選したりと、全国的に女性の躍進が目立った。昨年施行された「候補者男女均等法」が、政党の擁立姿勢や女性たちの意欲に火をつけた。

 次なる政治決戦、この夏の参…

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