緊急避妊薬、どこで手に入る? 週末や旅先で困ったら

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北村邦夫
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 こんにちは、北村邦夫です。あなたに知っておいてほしい、カラダや性の話をつづるコラムです。

 前回、「緊急避妊薬とは何か?」をテーマに書きました。そこでは、私が理事長を務める日本家族計画協会が立ち上げた緊急避妊薬の処方施設の検索サイトhttps://www.jfpa-clinic.org/s/別ウインドウで開きます)をご紹介しました。

 今回はまず、このサイトの特徴と使い方をご説明しましょう。

 1.スマホQRコードを読み取り、位置情報を「可」とすることで、現在自分がスマホを見ている住所地に一番近い施設情報がトップに挙げられ、近いところから20施設ほどが表示されます。URLを入力することでパソコンでも利用可能ですが、「位置情報」を許可する必要があります。

 2.休診日の可能性がある場合はアラート表示となります。

 3.また右上にある「MAP」をクリックすることで地図確認ができます。

 4.都道府県別検索だけでなく、ホテルやレストラン名などを自由に入力しての検索も可能ですので試してみてください。

なぜ、このようなサイトを作ったか

 前回ご紹介したように、緊急避妊薬というのは性交後72時間以内に服用するというタイムリミットがあるのです。だから、「避妊に失敗した」「レイプ被害に遭ってしまった」という時、なるべく早く入手する必要があります。

 緊急避妊薬は受診して処方してもらう必要がありますが、週末で知っている病院が開いていない、旅先など不慣れな場所で前述のようなことが起き、どこへ行けばいいのかわからないということもあるでしょう。

 そもそも緊急避妊薬は、海外では、病院に行かなくとも、薬局で薬剤師から買えたり、自販機で買えたりするようなものです。私たちの調べたところによると、欧米を中心に44カ国で、緊急避妊薬の「レボノルゲストレル錠」は薬局で売られています(2018年1月時点)。

 私が2010年にイギリス・ロンドンを視察した際にも、女性なら簡単に薬局で緊急避妊薬が手に入る様子を目の当たりにしました。日本では2011年にようやく、初めての緊急避妊薬「ノルレボ錠」が承認されました(それ以前は、「ヤツペ法」と呼ばれる、中用量ピルを2回のむ緊急避妊法が用いられていました)が、今も緊急時にすぐにアクセスしやすいとは言いがたい状況です。そんな中で、頼りになるサイトがあるといいなと思ったのです。 

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■検索サイトに高い関心…

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北村邦夫
北村邦夫(きたむら・くにお)
1951年生まれ。産婦人科医。自治医科大学医学部一期卒。リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の向上などをめざす一般社団法人・日本家族計画協会理事長。同協会市谷クリニック所長。(<a href="http://www.jfpa-clinic.org/" target="_blank">http://www.jfpa-clinic.org/</a>) 予定外の妊娠の回避や、性感染症予防の啓発に力を入れている。著書に「ピル」(集英社新書)、「ティーンズ・ボディーブック(新装改訂版)」(中央公論新社)など。