書店のレジで、カバーをかけますか、と尋ねられる。はいと答える。自分が選んだ本の表紙が覆われて、題名が見えなくなる。その瞬間が私は好きだ。ちょっとした秘め事ができたような不思議な気分になる▼かつて社会学者の清水幾太郎が、電車のなかで他の人が持つ本の題名が目に入ると「見てはならぬものを見た」ようで恥ず…

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