(書評)『法哲学者H.L.A.ハートの生涯 悪夢、そして高貴な夢』(上・下) ニコラ・レイシー〈著〉

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 ■厳密な分析の根底に不安と抑圧

 スキャンダラスな伝記だ。主人公は、20世紀を代表する法哲学者ハート。現代の法実証主義の原型を築いた巨人だ。世代や影響力は、映画界では黒澤明のような存在と言えようか。

 ハートは厳密性や明晰(めいせき)性を重視した。ところが「頭の中が整理されているならば、机を整理…

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