(現場へ!)コロナ禍の詩人たち:1 毒なる花冠の下、さまよって

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 詩人・野村喜和夫(69)は内なる声にひきずられるように散歩を始めた。〈おまえはおまえの不安を駆れ〉。2020年2月下旬、新型コロナウイルスが存在感をみせ始めた頃だった。

 高血圧という基礎疾患を抱え、年齢も若くはない。感染すれば、命に関わる。不安を前に、ただおろおろと歩くしかなかった。

 「コロナ…

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