(受験する君へ)高2からの理3志望、時間フル活用 東京大2年・上田彩瑛さん

受験する君へ

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 高校1年の秋にインフルエンザ予防接種を受けました。その直後に、倒れて意識がなくなってしまったのです。すぐに良くなりましたが、自分の体に何が起きているのかわからないのが悔しくて不安でした。体の仕組みを勉強すれば、同じように体の不調で不安を抱えている人たちの悩みを取り除けるのではないかと思い、医師を目指しました。

 塾に通い始めると、周囲に東京大学を志望する人が多く、私も東京大学について調べてみました。他の大学よりも一般教養を学ぶ時間が長く、医学以外にも自分が好きな数学を学ぶ時間があると思いました。東京大学理科3類を志望校に決めたのは高校2年になってからでした。

 志望校を決めたのが遅く、他の受験生より勉強量の差があるのはわかっていたので、くよくよ悩んでいる暇があったら勉強をしようと心がけていました。自分より学力が上の人しかいないと思っていたので、少しでも手を動かして勉強しました。

 効率よく勉強するために意識したのは、先の行動を考えながら生活することです。例えば、通学の時間やお風呂の時に、この時間にはこの勉強を、とシミュレーションをしました。椅子に座った時に、「何をしよう」と考える時間がもったいないからです。寝る前には、机の上に翌朝取り組む参考書を開いたままにして、起きたらすぐに勉強できるようにしていました。

 合格後のキャンパスライフを不安に思う人もいるかもしれません。授業はオンラインが中心になり、所属するジャズダンスサークルは一時、対面で活動できなくなりました。でも、デメリットばかりではありません。遅い時間の授業も、空き時間が長い授業でも、自宅で受けられるので、興味がある授業を好きなように受講できました。

 私は試験の日、机にへばりついてでも問題を解こうという気持ちで臨みました。わからないことに気づいている自分は有利だ、と言い聞かせ、粘り強く考えました。諦めたら終わりです。最後まで粘ってください。(聞き手・阿部朋美)

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 うえだ・さえ 2000年生まれ、大阪府出身。東京大学の中でも最難関と言われる理科3類に現役合格し、1年生の時に「ミス東大コンテスト2019」でグランプリを受賞した。

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