(寄稿)本が読まれない時代の政治家 三島没後50年、名作が廃れたこの国 田中慎弥

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 作家の三島由紀夫が割腹自殺を遂げてから、今年で丁度(ちょうど)五十年になる。その年に、史上最長政権を築いた安倍晋三氏が総理大臣の座を降りることになったのは単なる偶然に過ぎないが、現代の作家であり、また安倍氏の地元、山口県下関市出身でもある私としては、この偶然に何事かを感じてしまう。

 三島は作家と…

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