(男のひといき)大切なたばこ

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 昭和18(1943)年10月。叔父が、学徒出陣で戦地に向かうわずかな時間に我が家を訪れた。8人きょうだいの中ほどで育った母は、この末弟とことのほか仲がよかった。

 叔父は畳にくつろぐと、吸っていたたばこを中途でもみ消し、「姉さん、残りはかえってから吸うね」と笑った。それが永遠の別れだった。

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