國華賞・奥さん、仏像の彫刻史とらえなおす 図録賞には山下さん

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 「第31回國華(こっか)賞」(國華社、朝日新聞社主催)の贈呈式が24日、東京・築地の朝日新聞東京本社であった。日本・東洋の美術に関する優れた研究に対して贈られるもので、『仏教彫像の制作と受容―平安時代を中心に―』(中央公論美術出版)で國華賞に選ばれた奥健夫さん(55)と、「鳥取画壇の祖 土方稲嶺―明月来タリテ相照ラス―」展図録(鳥取県立博物館)で國華展覧会図録賞を受賞した山下真由美さん(41)がそれぞれ喜びを語った。

 奥さんは文化庁に務めると共に、仏像などの調査や修理にかかわってきた。受賞について「『制作』と『受容』という二つの側面から彫刻史をとらえなおした。出版で一区切りついた感もあるが、引き続き仏像について考えていきたい」と話した。

 また、鳥取県立博物館を経て、現在は京都市にある細見美術館で学芸員を務める山下さんは「展覧会開催後に残るのは図録だけ。内容はしっかりしたものにしたいという思いだった。受賞を大変うれしく思っています」と述べた。

 「國華賞」は、1989年に「國華」創刊100年を記念して創設された。選考は、根立研介・京都大教授を委員長とする12人の國華賞選考委員により行われた。

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