■銀河鉄道と6脚の椅子、主はどこへ消えた

 薄暗い闇の中に椅子が6脚並んでいる。「誰かの不在」を示すかのように。ここに座っていた人はどこに消えたのか。波の音が聞こえる。

 今春、岩手県内で上演された震災劇「ジョバンニの切符」はそんな情景から始まる。

 生き残った者と死者との交信を描く宮沢賢治の童話…

この記事は有料記事です。残り663文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料記事です。残り663文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料記事です。残り663文字有料会員になると続きをお読みいただけます。