(文芸時評)「文学」の働き 橋をかける、世界と私に 小野正嗣

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 まるで自分のために、自分にだけ向けて書かれているかのように思える作品に出会った経験があるはずだ。そのとき、まだ言葉にならず胸の内にあった喜びや驚き、悲しみや不安が、「そうだ、それだ」とはっきり像を結ぶ。そして、そのことで世界と〈私〉の関係に確実に変化が生じる。息がしやすくなる。

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 文学がもたらすこ…

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