1962年、千円札の肖像画が伊藤博文に決まるまでには、有力なライバルがいた。実業家の渋沢栄一である。ぎりぎりまで候補に残ったものの、落選した。容貌(ようぼう)がお札向きでないことが理由の一つだったと、当時の新聞にある▼容貌とはつまり、渋沢の写真にヒゲがなかったことか。今ほど偽造防止技術が高くなかっ…
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