(災害大国 被害に学ぶ)下水の行く先を知る

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 地震などの災害時には、普段、当たり前のようにしている生活ができなくなる。トイレもその一つ。レバーをひねるだけで得られる衛生的な暮らしを、どんな仕組みが支えているのか。少しでも知っておくことで、いざという時の備えにつなげておきたい。

 ■戸建ての配管、各自で点検を 下水管の調査、自治体間にルール

 トイレは、上下水を処理する施設や網のように張り巡らされた配管がなければ使えない。災害で処理施設が壊れたり配管に穴が開いたりすれば、すぐに使えなくなる。この際、見落とされがちなのは、トイレが使えなくなる原因が、公共の部分とは限らないことだ。

 昨年4月に発生した熊本地震。大きな被害を受けた熊本県益城(ましき)町では、下水機能の復旧後も、役場に「家のトイレが使えないから何とかしてほしい」という問い合わせが相次いだ。

 実は下水管のうち、公的機関が管理するのは、処理施設と道路の地下にある太い下水管まで。役場への問い合わせの多くは、町が管理する下水管から各戸をつなぐ配管が壊れた家庭からだった。この部分は私有物で、住民自身が点検や復旧をする必要があるが、知らない人が多くいた。

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 このため町は急きょ…

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