拡大する写真・図版渡辺守成氏はスイス・ローザンヌの国際体操連盟の会長室に、「渡辺家」の家紋が入った甲冑(かっちゅう)を持ち込んだ

 国際オリンピック委員会(IOC)の次期会長を決める選挙が、日本時間20日深夜に行われます。トーマス・バッハ会長の後継候補に、日本の渡辺守成氏ら7人が乱立しています。

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 この日本人がいなければ、今回の国際オリンピック委員会(IOC)会長選が行われることはなく、現職のトーマス・バッハが異例の3期目突入となっていたかもしれない。

 国際体操連盟(FIG)の会長を務める66歳、渡辺守成だ。

 2023年10月、インド・ムンバイで開かれたIOC総会。五輪憲章が定める会長の最長任期12年を超え、「バッハ続投」を求める意見がIOC委員から申し合わせたかのように相次いでいた。

 そんな中、会場の委員約100人でたった1人、渡辺は反旗を翻した。

 ルール順守の尊さを掲げ、「過去には組織統治の失敗が汚職を招き、スポーツのイメージが損なわれた。IOCは各競技の国際統括団体の模範になるべきだ」と訴えたのだ。

 だが、賛同する意見は続かなかった。あの総会を、渡辺はこう振り返る。

 「私はバッハ会長を支持してきた。だからこそ、晩節を汚してほしくなかった」

 結果的にバッハは昨夏のパリ五…

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