カナダの「マザーツリー」も燃料に 木質バイオマス発電はエコなのか

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編集委員・石井徹

 太平洋に面したカナダ・ブリティッシュコロンビア(BC)州。内陸部には針葉樹の森が広がるが、原生林は残り少なくなっている。

 「木質バイオマス発電を持続可能だと思っている人がいますが、それは事実ではありません」。原生林を伐採から守る活動をしている地域団体「コンサベーションノース」のディレクター、ミシェル・コノリーさんは、同州の「古代の森」を歩きながら訴えた。

 「BC州では、最も古くて希少な森林の伐採が許可されている。日本企業は、ぜひ現地に来て実態を見てほしい」

 日本では、バイオマス発電に使う木質ペレットの輸入が急増している。2023年の輸入量は580万トンで、再生可能エネルギーの固定価格買い取り(FIT)制度が始まった12年以降、80倍になった。輸入元は、ベトナム、カナダ、米国の順だ。カナダにとっても、日本は22年の木質ペレットの最大の輸出先であり、同州はカナダからの木質ペレット輸出の7割を占めている。

 日本のFIT制度下での新た…

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この記事を書いた人
石井徹
編集委員
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環境、エネルギー