拡大する写真・図版民家に取り残され、窓辺に姿を見せた猫=2021年4月、東京都武蔵村山市、松井久美子さん提供

 2021年3月16日。東京都武蔵村山市の閑静な住宅街にある一軒家で、独り暮らしの高齢女性が亡くなっているのが見つかった。家の中には、二十数匹の猫が残されていた。

 猫たちはどうなったのか。市の対応に関する市議会の議事録や動物愛護団体への取材から、その後の経緯をたどった。

 「猫を放置すれば衰弱するおそれが高い」。以前、近隣の住民から多数の飼い猫の情報を知らされていた市はそう判断し、都動物愛護相談センターの支所に緊急保護について相談した。

 センターは動物愛護法などに基づき、飼い主がわからない動物を収容したり、希望者に動物を譲渡したりする業務を担う施設だ。

 だが、すぐには保護できなかった。

罪に問われるおそれも

 民法上、動物は「モノ」とされ…

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