自分のルーツは変えられない、だけど 當間ローズさんが伝えたいこと

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滝沢貴大

 新しい年が明けました。困難な時代だからこそ、新たな価値による変化が必要です。ブラジル生まれで静岡県湖西市で育ったモデルで歌手の當間(とうま)ローズさん(31)は、「多様性の尊重」が大切な価値だといいます。その原点は、静岡で過ごした子ども時代にありました。

 イタリア人と日本人の間に生まれた父と、スペイン系ブラジル人の母をもつ當間さん。1993年にブラジルで生まれ、5歳のときに家族で来日し静岡県湖西市で育った。当時は満足に日本語が話せず、肌や目の色など外見の違いから周囲になじめなかった。学校でいじめを受けるようになった。

 「最初に覚えた日本語は『仲間に入れて』でした。外国にルーツをもつのはクラスで僕だけだった」

 今でもはっきり覚えているできごとがある。いじめに気づいた當間さんの母が学校に相談に行った後、いじめた子が親子で當間さんの自宅に謝りに来た。ハッとした。「たとえば母子家庭だったとか、彼らもそれぞれに困難を抱えていた」

 お互いを認め合うには、まずは相手を知ることが大事なんだ。幼い當間さんはそう受け止めた。

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この記事を書いた人
滝沢貴大
静岡総局|県警・司法キャップ
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静岡のニュース、地域創生、サブカルチャー