能登半島地震の発生直後、被災地へ向かおうとするボランティアが「迷惑だ」と非難を浴びました。専門性のあるNPOなどの支援団体までが現地入りをためらったといいます。災害支援の専門性と自発性、組織と個人の違いをどう考えればいいのか。いかに調和させて復興に生かすか。全国災害ボランティア支援団体ネットワーク事務局長の明城徹也さんに聞きました。
現地の負担高めない団体の支援は必要
能登半島地震では当初、ボランティアの現地入りを非難する声が高まったと聞きます。発生4日後に石川県が発信した自粛要請は個人のボランティアが対象と理解しています。激しい渋滞や、食料・燃料の不足、寝泊まりする場所などの不足から、個人への要請はやむを得ない面がありました。ただ、NPOなどの支援団体も含めてボランティアは不可と受け止めた人も世間には多く、専門性のある支援団体まで萎縮して足が鈍る事例もありました。そうした現地のリスクや負担を高めずに活動できる団体の支援は必要な状況でした。
日本ではNPOなどの支援団体には専門性があるという意識が十分に浸透していません。ボランティア元年といわれる阪神・淡路大震災(1995年)当時は特定非営利活動促進法(NPO法)がまだなく、当時言われていたボランティアは個人の支援としての意味合いが強かったです。組織より個人が先行したのです。その印象が強いのでしょう。メディアも行政も、一般のボランティアと災害支援のNPOのそれぞれの特徴を理解してほしいと思います。
もともと私は海外で難民支援…
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- 【視点】
記事を読んで感じたのが、そもそもNPOなどの支援団体を「ボランティア団体」と呼称すること自体がおかしいのではないか、ということです。お話をされている明城さんをはじめ、私の周りでいわゆるNGO/NPOと言われる、市民社会組織(CSO)のスタッ
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