経済制裁3年、ロシア中央銀行も認めた「パンク効果」 英識者が語る

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聞き手・佐藤達弥

 2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻から3年がたとうとしています。国際社会が科してきた対ロ制裁は効いているのでしょうか。英国の王立防衛安全保障研究所(RUSI)のトム・キーティング金融安全保障センター長は制裁を「徐々に空気が抜けていくパンク」にたとえ、即効性はなくても着実にロシアの技術力や経済力をそいでいると指摘します。

 ――ロシアの侵攻が始まった後、国際社会は国際的な決済網からロシアを締め出し、ハイテク製品の対ロ輸出禁止などを科しました。効果はあったと言えるでしょうか。

 侵攻が始まったころ、(欧米の)多くの政治指導者は制裁が何をもたらすか誤解していたと思います。彼らはすぐにロシア経済が崩壊し、プーチン大統領の考えが変わると期待していました。いずれも実現はしていませんが、制裁の影響はゆっくりと表れるものです。私たちは辛抱強く見守らなければなりません。

■中銀が認めた「装甲車両への…

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この記事を書いた人
佐藤達弥
国際報道部
専門・関心分野
昭和史、ジェンダー、中東・ロシア
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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年12月22日3時4分 投稿
    【解説】

    先日、来日していたKeatingeさんを迎えたウェビナーでモデレーターを務めたが、まさに制裁の効果については彼の言う通りだと思う。対ロ制裁に関しては政治家もメディアも期待が大きすぎたし、様々な誤解に基づいていたが、制裁も3年近く経ち、かなり

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