拡大する民意のゆくえ
兵庫県知事選が17日投開票され、自身の内部告発文書問題で失職した前職の斎藤元彦氏(47)が再選した。初当選時の得票率をほぼ維持する「圧勝」は、何を問いかけるのか。政治とメディアの関係に詳しい日本大学の西田亮介教授に聞いた。
――兵庫県知事選で斎藤元彦氏が再選しました。選挙戦をどう見ましたか。
全体の構図が非常に分かりづらかった。内部告発文書など一連の問題を受けた百条委員会があり、不信任決議は全会一致で可決した。しかし、選挙戦では自民党や日本維新の会系の自治体議員の一部が支持に回ったとも聞く。議会での行動と選挙応援のあり方がずれており、有権者にとって親切ではなかった。
――政策が争点にならなかったとも言われます。
首長選では政策に限らず、支援政党、人物評価も重要になる。不信任案が可決された斎藤氏の人物評価が肯定されたのは変な感じがするが、新聞やテレビなどマスメディアが報じない「穴」を突いたという印象をもっている。
――「穴」ですか。
新聞やテレビは公職選挙法と放…