過去最多の9人が名乗りを上げた自民党総裁選。前例なき混戦を制したのは、「党内野党」が指定席の石破茂元幹事長(67)=無派閥=だった。長年冷遇されてきた石破氏が、なぜ首相の座をつかめたのか。
「若手は(2012年の第2次)安倍政権以降しか知らず、野田氏の怖さを知らない。『悪夢の民主党政権』なんて軽んじれば、返り討ちに遭う」
立憲民主党が野田佳彦元首相を新代表に選出した23日夜、石破氏は周囲にこんな感想を漏らした。誕生日が3カ月違いという同世代への敬意を込めた言葉だったが、そこにはある本音も見え隠れする。
12年の総裁選。1回目の投票…