スコットランドを英国から独立させるかが問われた住民投票から、18日で10年。当時は「残留」が選ばれましたが、2度目の住民投票は近い将来ありうるのでしょうか。英国の世論研究の第一人者で、スコットランドの独立運動をウォッチし続けてきたストラスクライド大のジョン・カーティス教授(70)に話を聞きました。

 ――スコットランドの独立をめぐる議論は、もはや「終わったもの」なのでしょうか。

 たとえるならば、「車はスクラップされてはいない。ただ、どこにも行かない」というところでしょうか。

 最新の世論調査を見ると、独立に賛成が5割弱、反対が5割強。ほぼ真っ二つに割れています。ただ、すぐに改めて住民投票を実施するための道筋は明らかではありません。

スコットランドの住民投票
スコットランドはイングランド、ウェールズ、北アイルランドとともに英国を構成し、面積は英国全体の32%、人口は7%程度です。10年前は16歳以上のスコットランド住民が投票し、独立反対が55%と、賛成の45%を上回りました。現在の議論はどうなっているのでしょうか。

 ――2022年11月には、最高裁が「英国政府の同意なく住民投票をすることはできない」との判断を下しました。

 労働党が英下院で過半数の議席…

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