神社のお参り・例祭参加、熱中症にご注意 大神神社や闘鶏神社で対策
今夏も猛烈な暑さの日が続き、各所で様々な熱中症対策が取られた。神社でも参拝客や祭礼参加者の体調に配慮する取り組みが広がっている。
8月下旬の晴れた日、大神神社(奈良県桜井市)のご神体の三輪山に登ってお参りしようと、摂社の狭井神社には午前9時の受け付け開始から次々と参拝客が訪れていた。境内は木陰になっているが湿度が高く、立っているだけでも汗が背中を伝った。
三輪山は標高467メートル。往復で2~3時間程度かけて参拝する。木々が茂っていて直射日光が差すところは少ないが、風が通りにくく、急傾斜が続く。
通常は正午まで入山を受け付け、午後3時までに下山してもらっている。しかし近年、夏の暑い時期に登拝に訪れ、入山中に体調を悪くして救急救助が必要になるケースがあったという。
そのため同神社は、8月初日から暑さの落ち着く今月20日まで、入山は午前10時半、下山は午後1時半までに短縮した。新型コロナウイルス対策のために時間短縮したことはあったが、熱中症対策としては今年初めての試みだ。
夏休みやお盆の時期は初めて入山する人も多いが、登拝に慣れている人でも「夏場はしんどい」との声があるという。
大神神社広報室は「頂上にたどりつくのが目的ではなく、神様にお参りすることが大切です」と話し、自身の体調や気候の良い時に訪れて欲しいと呼びかけている。
笠鉾(かさほこ)や衣笠が市街地を練り歩く闘鶏神社(和歌山県田辺市)の例大祭「田辺祭」。祭りは7月24日の宵宮の朝、みこしを闘鶏神社から江川漁港の御旅所に運ぶ「神輿渡御(みこしとぎょ)」から始まる。
例年は午前8時45分ごろに神社を出発していたが、今年は8時に繰り上げた。みこしに続く笠鉾も午前中の行程が早まり、昼休憩を長く取って午後の巡行に備えた。また市役所の移転に伴い、午後のコースの一部を短縮した。
同祭では笠鉾の引き手が少なくなり、高齢化も進んでいることから、熱中症対策が課題となっていたという。神社によると、昨年は熱中症とみられる症状の人が複数いたが、今年は報告なく終えることができたという。
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