川原千夏子
拡大する会見する「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の平田直会長(左)。右は気象庁の束田進也地震火山技術・調査課長=2024年8月8日午後8時13分、東京都港区の気象庁、関田航撮影
気象庁が8日夜、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を初めて発表しました。お盆期間を控え、夏休みをとる人も多いはずです。今確認しておくことは何でしょうか?
Q 南海トラフ地震って?
A 東海から九州に沿って伸びる太平洋のくぼみ「南海トラフ」では過去、繰り返し巨大な地震が発生したことが分かっている。100年から200年ほどの間隔で起きていて、犠牲者は最大約32万3千人と想定される。
Q 臨時情報って?
A 想定震源域内で、マグニチュード6.8以上の地震が起きた時に、さらに大きな地震を引き起こさないか専門家が検討会を開いて発表する。今回は「巨大地震注意」だった。さらに上の段階だと「巨大地震警戒」、一方で可能性が低いとなれば「調査終了」と発表する。
拡大する南海トラフ地震の想定震源域と今回の震源
Q 事前に避難する必要はないの?
A 「巨大地震警戒」では避難に時間がかかる人には事前避難を求めている。今回の「巨大地震注意」では、事前の避難は伴わない。
Q 普通に生活できる?
A 内閣府では「日頃からの地震の備えの再確認」に加えて、地震が発生したらすぐに逃げられる準備を求めているよ。いつもより身構えながら、普段通りの生活を続けてほしい。
Q 日頃からできる地震の備えって?
A 地域のハザードマップで、自宅や職場、学校などその土地のリスクを知っておこう。窓ガラスの飛散防止や、家具や家電の固定、寝るときに頭上にエアコンなど落ちるものが無いようにすることも大切だ。
さらに、避難場所の確認や、家族との連絡手段を決める。特に津波のリスクが高いところでは、避難場所や避難手段、連絡のとり方など事前の備えが肝心だ。
Q すぐ避難ができる備えって?
A 水や常備薬などが入った非常持ち出し品を常に持ち歩くことが望ましい。寝るときも注意が必要だ。非常持ち出し袋は枕元に置くなどして、パジャマや寝間着は着ずにすぐに外へ逃げられる服装で寝るようにしたい。避難した時に情報を得るのに欠かせない、携帯電話やスマホ、携帯ラジオなどの電源の確保や予備バッテリー確保したい。今回の臨時情報で特に見直してほしい備えだ。
Q 他に注意することは?
A 不要な買いだめや、デマ情報には気をつけたい。過去の災害では、食料品やトイレットペーパーといった日用品や、ガソリンなどを買い占める動きが見られた。また、ウソの救助要請がSNSに投稿され救助活動の妨げになったこともあった。
Q 旅行には出かけても良いの?
A 予定の変更は求められていない。ただ公共交通機関が運行に制限を設けている場合もある。常に家族の居場所を確認することや、訪問先でも地震や津波のリスクや避難先など自宅にいるときと変わらない情報を得てほしい。(川原千夏子)