殴り殺されセーヌ川に捨てられた同胞へ 五輪開会式で投げた赤いバラ

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後藤遼太

 フランスやパリの歴史を華やかに演出したパリ五輪の開会式で、ある国の選手団がとった行動が話題になっている。それは、平和の祭典の舞台となったセーヌ川に隠された惨劇を世に問うものだった。

殺されセーヌに投げ込まれた同胞へ

 26日夕に始まった五輪開会式は、ギリシャ、難民選手団に続く3番目の船に5カ国の代表が乗り込んだ。片手に国旗を、片手に赤いバラを掲げたのは、フランスの元植民地で、北アフリカのアルジェリアの選手団だった。

 X(旧ツイッター)で拡散された動画によると、選手団の関係者の男性がアラビア語で「アルジェリア万歳」などと叫んだ後、選手と共にセーヌ川を進む船の上から、赤いバラを川面に投げ込んだ。Xでは、「アルジェリア独立運動のデモで殺されセーヌに投げ込まれた人たちを追悼するため」などと解説する投稿が続いた。

 動画に映っていたアルジェリアのオリンピック委員会の幹部、ヤシーン・アラブさん(60)が取材に応じ、「赤いバラは、殺された同胞への敬意と平和への祈りを込めました。1961年、多くのアルジェリア人がフランスの警察に殺されセーヌに投げ捨てられたのです」と振り返った。

 船上にいた選手と関係者27…

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この記事を書いた人
後藤遼太
東京社会部|メディア・平和担当
専門・関心分野
日本近現代史、平和、戦争、憲法
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