男性介護職員らが、筋力が衰える難病・筋ジストロフィーや体を動かせない難病の入院患者らに性的虐待をしていた国立病院機構大牟田病院(福岡県大牟田市)で2日、川崎雅之院長らが会見し、謝罪した。患者の就寝中や入浴介助の際に下半身を刺激するなどの行為があったという。

 同院によると、2023年12月に入院患者から「男性職員から下半身を触られた」との訴えが病院にあり、問題が発覚した。病院の全職員約360人への調査で、「虐待行為を見た」などの申告があり、いずれも男性の看護師2人、介護職員3人による男女11人の入院患者への虐待疑いが判明していた。

 病院側は、21年以降、①就寝中に下半身を触る②入浴介助で男性患者の下半身を素手で過剰に洗い、反応についてわいせつな声がけをする③介助中に女性患者のわきをくすぐり胸付近を触る④おむつ替え時に下半身を長時間観察する――などがあったとし、「性的虐待の疑いが非常に強い」と判断した。いずれも1対1の場面で行われていたという。患者の中には、体を動かせない人も多く、直接拒否することは難しかったという。病院側の調査に「怖かった」「思い出したくない」と伝えているという。

 職員側は、病院の調査に「スキンシップのつもりだった」「通常の医療・介助の行為」と話し、虐待の意図を否定。「指摘されると虐待だったかもしれない」などと述べているという。

 加害職員について病院は「40、50代が多い」とし、発覚後の職員アンケートでは「(加害職員に)注意すると怒られそうだった」という回答もあったという。

 病院は、障害者虐待防止法に基づき、各患者の居住自治体などに通報。病院によると、自治体側は2月、介護職員2人による患者6人への虐待を認定したという。この職員2人はその後自主退職した。看護師2人は自治体の認定作業中で、患者に接触しない形で勤務を続けているという。腹部を誤って触ったとされた介護福祉士1人は虐待と認定されなかった。

 川崎院長は、「障害者虐待防止…

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