岸田文雄首相の最側近の木原誠二・自民党幹事長代理は25日、東京都内の会合で「政権交代が起こってもおかしくない」と述べた。裏金事件を受けた党への逆風に危機感を示した形だが、6月の国会会期末までに首相が衆院解散に踏み切るとの見方もくすぶる中、発言の真意をめぐって臆測を呼んでいる。

 木原氏は安全保障分野での他国との連携を語る文脈で、米国の大統領選を念頭に「米国は結構スイングをする国」と述べた上で、「日本はそういう国ではない。もちろん、いま自民党は非常に厳しい。政権交代が起こってもおかしくない状況だろうが、仮にそういうことがあっても日本の政治は、霞が関がしっかりしており、安定している」と語った。

 財務官僚出身の木原氏は、日本の政府は官僚機構が中核を握り、政権交代でも政策は大きく変わらないとの認識を述べたかったようだが、首相側近の発言だけに注目を集めている。(佐藤瑞季)