札幌市営地下鉄の南北線で22日、タイヤがパンクするトラブルがあった。けが人はいなかったが、一部区間が午後2時すぎから終日運休するなど混乱した。

 市交通局によると、午前11時すぎ、南北線の麻生発真駒内行き(6両編成)が北24条駅を過ぎたところで、線路の「パンク検知装置」が作動。徐行運転をして終点まで向かった。車両基地で点検したところ、前から5両目のタイヤ1本のパンクが判明した。交通局によると、パンクは珍しいという。タイヤホイールの変形も確認された。

 また、麻生―北24条駅間での点検も実施。更新工事中の麻生駅南側のポイントの不具合がパンクの原因とわかった。当該区間は午後2時15分から終日運休し、代行バスで乗客を輸送した。北24条―真駒内間は折り返し運転となった。

 札幌の地下鉄は、日本の地下鉄で唯一「ゴム製のタイヤ」を使っている。

 札幌市交通局はゴムタイヤを採用している理由について、2023年の朝日新聞の取材に以下のように答えている。

 「ゴムタイヤは粘着性が良く、加速性や制動性に優れています。南北線の平岸―南平岸間が急勾配になっているのですが、それに対応できます」

 「ほかにも、かつての交通局長が視察先であるパリのゴムタイヤ式地下鉄を見学して感動したというのも、理由として挙げられます」

 ゴム製のタイヤを使っていることに起因して、駅構内で待っていると「チュンチュン音」が響くことでも知られている。(原知恵子)