2025年開催の大阪・関西万博をめぐり、大阪府の吉村洋文知事は16日、参加国・地域が独自に設計・建設する「タイプA」の海外パビリオンが「40前後」になるとの見方を示した。記者団の取材に答えた。

 タイプAは昨年8月時点で60カ国56施設の出展を予定していた。しかし前回のドバイ万博の開幕がコロナ禍で1年後ろ倒しになったことや、建設業界の人手不足などで各国の準備は難航。運営主体の日本国際博覧会協会(万博協会)は準備が遅れている国に対し、協会が簡素な建物を建てて引き渡す「タイプX」や、協会の建物内に間借りしたスペースに出展する「タイプC」への移行を促してきた。

 その結果、今月12日までに計7カ国がタイプXやタイプCに移行。メキシコは撤退を表明した。残る52カ国がタイプAの準備を進めているとみられるが、施工事業者が決まった国は36カ国、着工済みの国は14カ国にとどまっている。

 吉村知事はこの日、「(タイプAが)多いに越したことはないが、難しい所にはXやCで参加してもらった方が良い」と指摘。施工業者が決まる見込みがないなど、タイプAで出展することが困難な国は「十数カ国あると思う」と述べた。

 タイプAは建築物自体が展示物とされ「万博の華」とも呼ばれる。タイプAが減ることで万博の魅力が薄れる可能性もあるが、吉村知事はタイプAのパビリオンがなかった2005年の愛知万博について「素晴らしい万博になった」と強調。「(タイプAが)40前後あれば、個性豊かなパビリオンが立ち並ぶことになると思う」とした。(野平悠一)