中国に対する、米国を軸とした「戦略的な包囲網」がまた一つ増えた。日米比の3カ国による安全保障協力だ。
バイデン米政権は、日本をはじめ、韓国やオーストラリア、インド、欧州の主要国も巻き込んでアジアで安全保障協力を強めている。台湾や南シナ海、日本の尖閣諸島で威圧的な行動をとる中国に対し、「抑止力」を効かせるためだ。
そもそも抑止力とは何か。本当に必要なのか。私が米ワシントンで外交分野の取材を担当していた2014年、そのことを考えさせられる事件が立て続けに起きた。
この年の3月、ロシアがウクラ…