拡大する写真・図版大屋根(リング)の建設が進む万博会場=2024年4月10日午後2時6分、大阪市此花区、朝日新聞社ヘリから、有元愛美子撮影

 2025年大阪・関西万博の開幕まで残り1年。会場では様々なパビリオンの建築が進む。

 万博では、パビリオンの建築そのものも会場を彩る展示だと言われてきた。

 今回の万博では、会場を囲む1周2キロの木造建築「リング」が約350億円、若手建築家らがデザインしたトイレや休憩所が、1カ所で最高2億円など建設費をめぐり、「高すぎる」といった批判も噴き出している。

 万博と建築の関係をどう見るのか。リングや建築家への批判をどう考えるのか。建築史などを専門とする東北大の五十嵐太郎教授に聞いた。

拡大する写真・図版東北大学の五十嵐太郎教授=2024年3月1日午後1時38分、東京都内、西村宏治撮影

 ――これまで様々な建築を見てこられたと思います。これはすごい、と感じた万博パビリオンはありますか。

 実際に見たもので言えば、10年上海万博の英国館はすごかったですね。トーマス・ヘザウィックというデザイナーの設計です。

拡大する写真・図版2010年上海万博の英国館。設計したトーマス・ヘザウィック(1970~)は、大胆な造形を持ち味とする現代を代表する建築家・デザイナーのひとり。日本では、麻布台ヒルズの一部を手がけた

 ――どのあたりがすごかったのですか。

 普通、パビリオンは外側のデザ…

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